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鹿児島大学フロンティアサイエンス研究推進センター(FSRC)・先端医療開発分野は、鹿児島大学の生命科学研究推進部門を推進する中核的研究拠点として平成17年4月に設置されました。当初本部門は、主に異種移植研究を遂行する研究分野として構成されました。すなわち、FSRCプロジェクトとして、平成17年度〜19年度の3年間、遺伝子改変技術により本学で独自に開発した解剖学的・生理学的特性がヒトに酷似したクラウン系医用ミニブタを用いて異種移植医療を実現し、再生移植医療におけるドナーの臓器不足という世界的な大問題の解決を目指す学際的な『異種移植プロジェクト』が開始されました。また、前年度からの大変苦労したリサーチが実り、平成17年度〜21年度文部科学省研究助成金・基盤(S)が採択され、「異種移植の基礎的研究」の課題で5年間の研究助成を受けることになりました。『異種移植プロジェクト』は21年度で終了し、成果と今後の課題に関する最終報告書を提出する予定です。
一方、本分野のプロジェクトとして、平成16年度から内視鏡手術の普及・啓発を目的としたトレーニングシステムの構築と講習会ならびに市民公開講座を実施しています。本プロジェクトは、予算ゼロからのスタートだったため、特定非営利活動法人「内視鏡手術の普及・啓発の会」(NPO SEES)を立ち上げることで実施可能となりました。医歯学総合研究科外科系講座の医師、一般病院医師、弁護士、獣医学科学生、そしてFSRC職員らの多くのボランティア精神と行動によって支えられています。今では、動物を用いたトレーニングセンターとして全国的に知られるようになり、現在まで全国から延べ300名以上が受講しています。他大学の先生方からは、大学の底辺から湧いた社会福祉への貢献運動として高く評価されています。このプロジェクトにもクラウン系医用ミニブタを利用していますが、解剖学的・生理学的特性がヒトに酷似しているため受講者から大変好評を博しています。
近年の医学研究の進歩は著しく、そのスピードは加速されているかのように思われます。特徴的な点は、医学のみの分野では研究に限界があることです。すなわち、他分野との融合あるいは共同研究が必須と考えられます。私どもは「異種移植プロジェクト」からその教訓を得たのですが、その手法を他のプロジェクトに応用し始めています。すなわち、オンコロジーの分野では癌幹細胞の研究を推進しています。癌幹細胞理論による新しい視点から、固形癌とくに難治性癌の代表である膵癌をターゲットとした研究に取り組んでいます。本研究には、組織発生と幹細胞に関する研究が複雑に絡み合っています。そのため、これら分野の先駆的研究で高名な谷口英樹先生(横浜市立大・教授)と粂 昭苑先生(熊本大学・教授)に非常勤講師として、医歯学総合研究科のプロジェクト講座としての癌・再生医療学の大学院講義をはじめ研究の指導をお願いしています。研究成果の公開を原則として、「癌幹細胞プロジェクト」の詳細や成果は、「異種移植プロジェクト」や「NPO SEES」と同様にこのホームページでも公開していく予定です。
本分野はまだ若い研究ラボですが、その特徴を生かして先端医療への貢献を目指したトランスレーショナル研究を主体としたプロジェクト研究を推進していく所存です。
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